2013年10月31日木曜日

話題の3Dプリンターを見学してきた

10月30日に国際展示場で開催された「ものづくりNEXT↑2013」を見学してきた。

世の中で話題の3Dプリンターとはなんぞやとの疑問は解決した。以下、私の出張報告書の一部抜粋。

3Dプリンターとは、3次元CADで設計したポリゴンデータ形式(拡張子はSTL)を基に「積層造形技術」を使用し物を作る機械です。積層と言う言葉が表すとおり、数ミクロンという薄い層を幾重にも積み重ねて物を作る技術です(正確な表現ではないかもしれませんが)。積層造形技術というのは実物をご覧いただく方が理解が早いです。正に百聞は一見にしかずです。

今回は樹脂で出来た物を実際に触れることが出来ました。見た目は、数ミクロンの積層なので表面は階段状になっていますが、触ったときに変な違和感はありません。材料によっては表面に金属のメッキをする事も可能で、メタリックのピカピカでつるつる(表面が階段状ではなく正に射出成形した製品と同等)のマウスが展示してありました。

素材は現在では100種類以上あり、代表的なものとしては金属、樹脂、石膏が上げられます。金属は高温、高圧に耐えるもの、プラスチックは固いものやバンドの様に柔軟性のある物、石膏はフルカラーが特徴です。作るときは、いくつかの素材やプリンターを組み合わせて作ることが重要だと言っていました。品質も射出成形、鋳造品、鍛造品に近い品質になってきました。

以前は試作で使用することが主目的でしたが、最近は技術が進歩したので、樹脂の射出成形に近い物が出来るようになり、製品としても使える物が作れるようになったそうです。私の知識不足で正確にはお伝えできませんが、特に、鋳造の砂型を作る時に鋳物の完成体として使われる発泡スチロールの代わりに、樹脂3Dプリンターで出力した物を使用すると、精度が向上するそうです。

また、10万円の樹脂で出来た試作品が3Dプリンターでは8,000円で作れた実績や、開発期間に数週間かかったものが数日に大幅短縮、鋳造の砂型の数も20個が4個に減った事例があるそうです。

3Dプリンターは1ロットが数十個程度迄がターゲットになります。製造する数が増えてくると、従来の射出成形や鍛造、鋳造の方がコスト面で良いとされます。

3Dプリンターは造形の自由度が高いことも特徴です。従来の射出成形や鋳造、鍛造では困難だった物も作ることが可能です。従来は溶接が必要な造形物を3Dプリンターならば鋳造の一体成形で作ることも可能です。また、その際、重量が60%も軽くなった事例もあるそうです。

3Dプリンターは動作音が静粛で殆ど音が聞こえません。インクジェットプリンターの様な騒音はありませんでした。数ミクロンの積層造形技術なので、1時間で2~3cmの高さを積み上げられます。

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